2017年5月28日日曜日

電王戦最終戦の観戦記を読んで

電王戦最終戦の観戦記が公開された。
「答えのない闘い」佐藤天彦 叡王―PONANZA:第2期電王戦 二番勝負 第2局 観戦記
朝、対局場へ現れた佐藤天彦叡王の表情は硬いものであった。白い着物が、その強張った表情をさらに際立たせているように思えた。顔は硬くとも、そこににじみでる勝負の前の棋士特有の気迫はなかった。それは、あるいは人間が前に着座していないということからくるものなのかもしれない。気合をぶつける相手がバーチャルなものというのは大変だろうな、と思った。
うーん、気迫が無かったのは相手が人間かどうかというより、勝ち目がほとんどゼロに近い事が分かっていたからではないだろうか。
事前貸出ルールがあるので、勝てる確率がどのくらいあるかは本人が一番良く分かっていたはず。おそらく練習でも1%も勝てなかったのだろう。
負けると分かっている戦いに臨むのは辛かったと思う。
 さーて第3図。この一手が敗着だって! この▲6八金右が悪手なんだって。ここから先はまあいろいろ粘りはあるが、どうも後手の勝ちなんだって。笑わないでくれ。呆れるのはいいが、怒ってこの画面に駒を投げないでくれ。この▲6八金右から穴熊にした構想がよくなくて、あとは不利、トップソフト的には、滅多に逆転しないんだそうである。
 昔24でボンクラーズが196連勝した時、高段者の穴熊をボンクラーズが一瞬にして崩壊させるのを見て驚愕した事がある。それにしても名人がやってもこの有様とは・・・

ところで、ここは5六角で先手300点くらいのリードだったらしい。もしかしたら天彦名人なら勝てたかもしれない。年末企画とかでここから指し直しとかやってくれないかな?
超えたかという「ことばのあや」については、電王戦終了という事実を持って皆様の想像力にゆだねたい。しばらくはAIと人間の対決は将棋界ではないだろう。
囲碁界では勝てなくなってもどんどんコンピュータ対戦をやっているのに、将棋界は逃げの一手か。
情けないね・・・

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